2010年02月15日

【取材】合同会社らくがきART 佐藤健郎さん 後編

インタビュー前編はこちら。


(写真:宮崎市小松の健康支援館はらくがきアートの常設展示場となっている)

CCC なるほど。とても深いお話ですね。
さて、次に宮崎での活動予定について教えてください。

佐藤 何もかもがこれからなのですが、まず宮崎で始めたいことは、らくがきアート教室(体験教室)です。これは僕が大分でやってきたノウハウに基づいてやりたいと思っています。大分(大分カルチャー学院)では5名の子どもさんがいました。また、体験教室(ワークショップ)には15名〜20名の参加がありました。どのようなことをやっていたかというと、まず子どもさんに「浜辺に行って、きれいとか、かっこいいと思うもの、面白いと思うものを10個拾ってこよう」という宿題を与えます。集まってきた材料を組み合わせて、アート作品を創ります。もちろん、僕は先生ですが、僕も同じことをします。子どもと同じことをして、自由に話をしながら、子どものアート制作の背中をおしていきます。言葉ではなくて、自分もやってみせながら伝えるわけです。最後に、みんなで発表を行います。発表時には、お迎えのお母さんやお父さんにも一緒にいていただきます。そして、お母さんやお父さんや僕といった大人が、子どもに質問するわけです。「なんでそれを創ろうと思ったの?」とか、「その絵は何?」とかです。5歳、8歳の子が一生懸命説明するのですが、ここで重要なのは、自分がやっていることを自分で伝えることができる、ということなんです。自分のやっていることを自分の手で表現し、自分の口で表現する、プレゼン力を磨く教室です。だから、通常のアート教室とはずいぶん違いますね。

CCC 子どもさんの様子はいかがですか?

佐藤 最初は無口で始めるのですが、どうしても途中で飽きて、走り回ったり、他の子の邪魔をしたりするわけです。ここで、僕が口を挟むのですが、僕は今、こういうことをやっている、製作がまだ終わっていないし、終わるためにはこの空白の空間はどうするつもりなの?などと言います。決して、騒ぐなとは言いません。教室は90分間ですが、90分内にきちんと作品として完成させるための手伝いをします。もちろん、やり遂げられないことが多いのですが、時間をコントロールするということも合わせて教えたいと思っています。

CCC とても面白い教室だと思います。今挙げてくださった教室事業のほかに、どういったものを収益事業として考えられていますか?

佐藤 他に4つの柱があります。1つは、そもそもの収益モデルで、子どもさんのらくがきをアート作品化し、それをファインアート(絵)やTシャツ、マグカップなどの製品にして販売するというものです。2つめは、まちおこし支援事業です。宮崎のコミュニティシンクタンクである有限会社サン・グロウ様と組ませていただいて、中山間地域のまちおこしをしようとしています。具体的には、農産物の加工品などをパッケージ化するにあたって、らくがきARTを活用していただこうとしています。まちの人の手による、まちのブランドづくりのお手伝いをしているわけです。3つめは、国際支援です。現在、いくつかの団体様にお声かけさせていただいています。神戸女子大の先生にもご協力いただき、NPOやNGOとの連携を産学恊働で進めているところです。4つめは、障害者(児)施設の方々にらくがきを描いていただき、それを利用したアート製品を作り、カレンダーを創ったり、施設の販売品のパッケージに使ったりして、その収益の一部を施設に還元していくというものです。今まで、生活学校(宇佐)様などで行わせていただいています。

CCC なるほど。らくがきARTさんはいろんな場面で活用可能だということですね。では、最後に、2つのお尋ねをしたいと思います。1つは現在の活動にあたって障害となっていることを教えていただきたいということです。もう1つは、あったらいいなという制度を教えてください。

佐藤 まず障害は、お金がないことです(苦笑)。今、会社組織にしたことで、アート作品化したときの収益の分配を、子どもさん20%、芸術家30%、会社50%としています。会社は50%の分配ですから、正直、大金持ちにはなりません。でも、僕はそれでいいと思っています。志を持ちつつ、事業を行っていくのが社会起業家だと思っていますから。
次に、あったらいいなという制度は、3つ有ります。1つめは、社会起業家に対する資金面での支援が欲しいということです。2つめは、人と人とのマッチング制度があったらいいなと思います。先ほども申しましたように、らくがきARTは活用する人がいてこそ、の会社です。アートを商品化する人、活用してまちおこし、福祉施設の運営に使いたい人、商品を買いたい人、そんな人たちをマッチングしていく制度が欲しいです。3つめは、社員を雇う場合の優遇措置です。NPO法人は特別な形態として設立され、税制面等の優遇措置がありますが、合同会社は普通の法人と同じ形態だと見られます。やっていることによらず、です。それでも僕たちが合同会社にこだわるのは、会社は存続することを使命としており、僕たちも存続することを使命としているからです。NPOは単年度ごとの会計で、利益を持ち越すことができません。企業は成長することが必要ですから、NPOのような会計で、収支0とすることは事業を行うための納得がいきません。また、奨学金は小さい頃から18歳までのお金を扱うということになりますから、絶対つぶすわけにはいかないんです。だから、企業形態にかかわらず、やっている活動(実態)で支援する仕組みができればと思います。



(写真:佐藤さんとCCC宮崎 井上、吉池)

★インタビュー終わり★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★
当日は、常設展示場である健康支援館様に伺いました。
実際に絵を見てみると、百聞は一見にしかずということがよくわかります。
子どもさんのらくがきがアート作品化し、製品化することで、
子どものことを大人が意識する瞬間が増えること、
それが世界平和に繋がることを伺い、一同感動しながら帰路につきました。
お忙しいなか、本当にありがとうございました。

インタビュー 井上、吉池

○基本情報
■団体名 合同会社らくがきART
■所在地 東京都渋谷区元代々木町10−5 (近々神戸市に本社移転予定)
宮崎事務所 宮崎郡清武町大字加納
■ホームページ http://www.rakugakiart.jp/


○合わせて読みたい
■スタッフブログ http://shirokuma.hama1.jp/

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