2010年02月18日
【取材】環境NPO法人H-imagine 松本英揮さん 後編
インタビュー後編。前編はこちら。
CCC:次に、H-imagineさんの活動資金面について教えていただけますか?
松本:宮崎県からの事業で市民ボランティアや環境学習などを行って予算をもらったり、個別に講演会を行う場合はその謝礼を頂いたりしています。しかし、最終的にボランティアでは社会は良くならないと思っています。最も福祉・政治・経済・教育・環境が充実している北ヨーロッパの国々ではボランティアは存在していません。社会が成熟するためには、どのような仕事をしてもキチンと対価をもらうことが必要です。お金でなくても、パンやお米などを頂いたりでもいいんです。日本人はすごく人がいいから、ただでボランティアしたら充実した気持ちにはなるけれど、その人はどこかで環境に悪い仕事をしてお金を稼がなきゃいけないかもしれません。だから良いことをしてお金が貰えるような社会にならなくてはいけないと考えています。NPOの考え方も、Nonprofit Organization(利益を出さない組織)ではなく、New public Organization(新しい公的組織)という考えが増えていますが、僕もそれが正しいと思っています。生活の中でなるべくお金を使わないということも大事です。自分で野菜やお米をつくれば、NPO活動で得たお金をまた活動に費やすことも出来ます。半分は畑仕事をやって、半分好きなことをやれば、いやな仕事は一切しなくて済むしね。
CCC:それでは、NPO活動にとっての障害などはありますか?
松本:障害は特にないね。障害をもたないようにはしています。最初に話したように、すごく変な方向に向かっている世の中をいい方向に変えていくためにつくったNPOだから、障害といえばそれが一番ですね。例えば、最近はうつ病の人が急増していますよね。これは1つの大きな社会現象で、経済がダメになり、環境がダメになると、次は人間の心にも影響がでるわけです。そういう人たちと向き合う時間がすごく増えています。障害ではないけど、現実的にすごくおかしな方向に行ってるのは確かです。
現実をキチンと把握して、薬に依存しないようにとか、逆に環境にいい生活をして、心もいい方向に変えていくというのが僕達の役割だと思っています。
CCC:なるほど。行政などに求める制度などはありますか?
松本:やっぱり今まで話した交通システムの改善・センター試験の廃止ですね。びっくりだよね、シンポジウムで「センター試験止めまーす!」なんて言い出したら(笑)僕達がセンター試験の元年になるけど、最初の年はえらい簡単でしたよ。最近はやっぱり難しくなってると思いますよ。
CCC:確かに難しかったです・・・これも実現可能なんですよね?
松本:うん、10年後にやる(断言)。
CCC:おおお。路面電車計画も、市長が変わられるので今から活動開始というわけですね。
松本:第1次計画で予算が約500億円と、たしかにお金もかかります。でも、宮崎県のレベルで考えたら500億円くらいの公共工事は少し前までたくさんありましたからね。僕も昔は建設会社を経営していたんですが、考え方次第では、公共投資のためにそのくらいのお金を使うことは決して高いものではないんです。
CCC:計画実現のために、住民の方々に対する説明などは?
松本:今までも県庁や宮崎市役所・市内の学校などで、DVDを300回以上上映してきました。国土交通省や企業にも持っていきました。そういう草の根で、宮崎市民にこういう可能性がある、街がこういう風に素敵になると伝えています。あと市議会議員の方もエコツアーにお連れして、宮崎市と同規模の街の役所でこの街がどうやって素敵になったかというレクチャーを受けてもらい、帰ってきてから宮崎市議会で提案してもらったりします。最初は反発もありましたが、徐々に理解はしてもらっています。
CCC:これからの活動も「草の根」で行っていくわけですね。
松本:そうですね。議員や市長候補の方たちを集めてシンポジウムを開いたり、住民と行政の両方からのサンドイッチでやっています。
CCC:質問は変わりますが、100カ国以上旅した中で、どの国が最も印象に残っていますか?
松本:印象ねぇ…日本(笑)。やっぱり宮崎ですね。外国に暮らすことも視野に入れて旅していたけど、宮崎以外には住めません。宮崎が1番。それに気づいたのが一番の収穫でした。
どの国に行こうか迷っている大学生にそれぞれ提案するんですが、男の子のよく提案するのがサハラ砂漠。砂漠っていうのはすごく生きやすいところなんです。サハラ砂漠の地下4mには井戸があって、女性たちが頭に重い水を乗せて運ぶんですけど、背筋をピンとのばして歩いてるでしょ。あとは羊飼いの子供がやってきたりとか、そういう人間の本来の生きていく姿を見たらものすごく安心するわけ。それを見てすごいなぁと思うし、自分もそういう人間本来の生き方がしたいなって思うし。それを見たときに、日本では経験できないなんだかはらにストーンと落ちるものがあるんですよ。それから、サハラ砂漠で日が沈む頃に子供がいる家に泊めてもらいます。子供がいると安全だし、子供が好きだから。そこでは一日の生活費が約100円で、その生活費をおいて、子供と遊んだり料理したりして、また次の村へ向かうんです。
そうやって世界中の人たちと寝食を共にしながら旅すると、宮崎のことがよくわかってきます。
CCC:逆に、今まで行ってない国でこれから行きたい国はありますか?
松本:行きたい国はないです。でも中国の西端にあるウルムチから上海まで自転車横断したいなってイメージはありますね。1ヵ月半ぐらいかかるかな。何でかっていうと、多分今年アメリカが潰れてドルが紙切れになって、世界の中心が中国に移行していくから。中国も変わりつつあるんですが、未だに多くの問題を抱えている国で、中国国内にうつ病患者が1億人いると言われています。
CCC:1億人!?
松本:そう。何故そんなに多いのかというと、子供のころからゲーム漬け・ケータイ漬けで、しかも親世代の貧しい生活のなかに突然現れたものだから尚更ハマっちゃって。そういうのが悪いって意識も日本人ほどないし。
上海の郊外都市で行われた企業誘致の経済セミナーに、環境関係で唯一呼ばれた際、うつ病の高校生と出会いました。その高校生のお母さんにも頼まれて、バスケットボールとか汗を流したりしましたけど、その子が今どうしてるかすごく気になりますよね。日本にいたら悪い情報しか入ってこないし、現実に悪いことがいっぱい起きてるんですけど、実際に中国全土を走ったときにまた違うものも見えてくるのかなぁと思いますね。
あとタイのチエンマイでエイズプロジェクトをやろうとしてます。5年前にアフリカでエイズプロジェクトを行ったときに、日本の米ぬかを使いました。タイも米食だし、アフリカでも半分くらいは米が食べられてます。米ぬかを使ったことで、体温があがり、免疫も6倍になりました。
社会が悪くなっているのも、1人1人の体調が悪いから。もう半病人みたいになってるでしょ?不健康な生活のなかで体温がすごく下がってるから、ガン細胞やエイズウイルスに侵されやすくなってるんです。体温を高めてあげれば治癒するというのが西アフリカで成功しました。
タイではエイズ孤児がすごく増えていて、そういう子たちにも米ぬかを使ってあげたいと思い、全国から200万円ほど寄付が集まって、もうすこしでできます。
納豆や味噌・豆腐など、日本の発酵食品が体に良いということはすごいなぁと思うけど、僕達はそれを知っているわけだから、それを使って世界の人たちに貢献できたらいいなと思います。
君達も体を温めてね。そうすれば万病は治るから
CCC:はい、心がけます!
松本:あとは沸いてきたイメージで「こんなことしたい」とか「この国にいきたい」とか決めてますね。楽しくないことは一切しないから。まぁ100歳までには残りの国全部に行きたいね(笑)
CCC:応援しています!今日は本当にありがとうございました!
松本:よかったらエコツアーも参加してね!
★インタビュー終わり★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★
このあと、松本さんは自転車で高鍋西中学校へ向かって出発されました。パワフルすぎる!
松本さんはエコの達人としてニュースで紹介されたこともあり、ご自宅には発電用の風車も完備!
取材に伺う前は、路面電車計画と聞いて正直非現実なんじゃ…なんて思っていましたが、世界を見てきた松本さんはさすがに説得力が違いました。まさに「百聞は一見に如かず」を体現した方でした。本当にありがとうございました!
インタビュー 仮屋 井上
○基本情報
■団体名 環境NPO法人 H-imagine
■所在地 〒880-0032 宮崎市霧島4丁目106 複合施設 ESORA内
■ホームページ http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~e1122m/Himagine/
社会起業支援サミット2010 in 宮崎では、当日、こうした取材内容も冊子として
配布させていただきます。ぜひ皆様、ふるってご参加ください。
社会起業支援サミット2010 in 宮崎
2010年2月20日(土)10時〜17時 宮崎産業経営大学にて(参加無料)
※終了後には、交流会(参加費500円)も予定しております。
お申し込みは、こちらから。
メール jya-mane2@hotmail.co.jp
Fax 0985-51-0859でも受け付けしております。
CCC:次に、H-imagineさんの活動資金面について教えていただけますか?
松本:宮崎県からの事業で市民ボランティアや環境学習などを行って予算をもらったり、個別に講演会を行う場合はその謝礼を頂いたりしています。しかし、最終的にボランティアでは社会は良くならないと思っています。最も福祉・政治・経済・教育・環境が充実している北ヨーロッパの国々ではボランティアは存在していません。社会が成熟するためには、どのような仕事をしてもキチンと対価をもらうことが必要です。お金でなくても、パンやお米などを頂いたりでもいいんです。日本人はすごく人がいいから、ただでボランティアしたら充実した気持ちにはなるけれど、その人はどこかで環境に悪い仕事をしてお金を稼がなきゃいけないかもしれません。だから良いことをしてお金が貰えるような社会にならなくてはいけないと考えています。NPOの考え方も、Nonprofit Organization(利益を出さない組織)ではなく、New public Organization(新しい公的組織)という考えが増えていますが、僕もそれが正しいと思っています。生活の中でなるべくお金を使わないということも大事です。自分で野菜やお米をつくれば、NPO活動で得たお金をまた活動に費やすことも出来ます。半分は畑仕事をやって、半分好きなことをやれば、いやな仕事は一切しなくて済むしね。
CCC:それでは、NPO活動にとっての障害などはありますか?
松本:障害は特にないね。障害をもたないようにはしています。最初に話したように、すごく変な方向に向かっている世の中をいい方向に変えていくためにつくったNPOだから、障害といえばそれが一番ですね。例えば、最近はうつ病の人が急増していますよね。これは1つの大きな社会現象で、経済がダメになり、環境がダメになると、次は人間の心にも影響がでるわけです。そういう人たちと向き合う時間がすごく増えています。障害ではないけど、現実的にすごくおかしな方向に行ってるのは確かです。
現実をキチンと把握して、薬に依存しないようにとか、逆に環境にいい生活をして、心もいい方向に変えていくというのが僕達の役割だと思っています。
CCC:なるほど。行政などに求める制度などはありますか?
松本:やっぱり今まで話した交通システムの改善・センター試験の廃止ですね。びっくりだよね、シンポジウムで「センター試験止めまーす!」なんて言い出したら(笑)僕達がセンター試験の元年になるけど、最初の年はえらい簡単でしたよ。最近はやっぱり難しくなってると思いますよ。
CCC:確かに難しかったです・・・これも実現可能なんですよね?
松本:うん、10年後にやる(断言)。
CCC:おおお。路面電車計画も、市長が変わられるので今から活動開始というわけですね。
松本:第1次計画で予算が約500億円と、たしかにお金もかかります。でも、宮崎県のレベルで考えたら500億円くらいの公共工事は少し前までたくさんありましたからね。僕も昔は建設会社を経営していたんですが、考え方次第では、公共投資のためにそのくらいのお金を使うことは決して高いものではないんです。
CCC:計画実現のために、住民の方々に対する説明などは?
松本:今までも県庁や宮崎市役所・市内の学校などで、DVDを300回以上上映してきました。国土交通省や企業にも持っていきました。そういう草の根で、宮崎市民にこういう可能性がある、街がこういう風に素敵になると伝えています。あと市議会議員の方もエコツアーにお連れして、宮崎市と同規模の街の役所でこの街がどうやって素敵になったかというレクチャーを受けてもらい、帰ってきてから宮崎市議会で提案してもらったりします。最初は反発もありましたが、徐々に理解はしてもらっています。
CCC:これからの活動も「草の根」で行っていくわけですね。
松本:そうですね。議員や市長候補の方たちを集めてシンポジウムを開いたり、住民と行政の両方からのサンドイッチでやっています。
CCC:質問は変わりますが、100カ国以上旅した中で、どの国が最も印象に残っていますか?
松本:印象ねぇ…日本(笑)。やっぱり宮崎ですね。外国に暮らすことも視野に入れて旅していたけど、宮崎以外には住めません。宮崎が1番。それに気づいたのが一番の収穫でした。
どの国に行こうか迷っている大学生にそれぞれ提案するんですが、男の子のよく提案するのがサハラ砂漠。砂漠っていうのはすごく生きやすいところなんです。サハラ砂漠の地下4mには井戸があって、女性たちが頭に重い水を乗せて運ぶんですけど、背筋をピンとのばして歩いてるでしょ。あとは羊飼いの子供がやってきたりとか、そういう人間の本来の生きていく姿を見たらものすごく安心するわけ。それを見てすごいなぁと思うし、自分もそういう人間本来の生き方がしたいなって思うし。それを見たときに、日本では経験できないなんだかはらにストーンと落ちるものがあるんですよ。それから、サハラ砂漠で日が沈む頃に子供がいる家に泊めてもらいます。子供がいると安全だし、子供が好きだから。そこでは一日の生活費が約100円で、その生活費をおいて、子供と遊んだり料理したりして、また次の村へ向かうんです。
そうやって世界中の人たちと寝食を共にしながら旅すると、宮崎のことがよくわかってきます。
CCC:逆に、今まで行ってない国でこれから行きたい国はありますか?
松本:行きたい国はないです。でも中国の西端にあるウルムチから上海まで自転車横断したいなってイメージはありますね。1ヵ月半ぐらいかかるかな。何でかっていうと、多分今年アメリカが潰れてドルが紙切れになって、世界の中心が中国に移行していくから。中国も変わりつつあるんですが、未だに多くの問題を抱えている国で、中国国内にうつ病患者が1億人いると言われています。
CCC:1億人!?
松本:そう。何故そんなに多いのかというと、子供のころからゲーム漬け・ケータイ漬けで、しかも親世代の貧しい生活のなかに突然現れたものだから尚更ハマっちゃって。そういうのが悪いって意識も日本人ほどないし。
上海の郊外都市で行われた企業誘致の経済セミナーに、環境関係で唯一呼ばれた際、うつ病の高校生と出会いました。その高校生のお母さんにも頼まれて、バスケットボールとか汗を流したりしましたけど、その子が今どうしてるかすごく気になりますよね。日本にいたら悪い情報しか入ってこないし、現実に悪いことがいっぱい起きてるんですけど、実際に中国全土を走ったときにまた違うものも見えてくるのかなぁと思いますね。
あとタイのチエンマイでエイズプロジェクトをやろうとしてます。5年前にアフリカでエイズプロジェクトを行ったときに、日本の米ぬかを使いました。タイも米食だし、アフリカでも半分くらいは米が食べられてます。米ぬかを使ったことで、体温があがり、免疫も6倍になりました。
社会が悪くなっているのも、1人1人の体調が悪いから。もう半病人みたいになってるでしょ?不健康な生活のなかで体温がすごく下がってるから、ガン細胞やエイズウイルスに侵されやすくなってるんです。体温を高めてあげれば治癒するというのが西アフリカで成功しました。
タイではエイズ孤児がすごく増えていて、そういう子たちにも米ぬかを使ってあげたいと思い、全国から200万円ほど寄付が集まって、もうすこしでできます。
納豆や味噌・豆腐など、日本の発酵食品が体に良いということはすごいなぁと思うけど、僕達はそれを知っているわけだから、それを使って世界の人たちに貢献できたらいいなと思います。
君達も体を温めてね。そうすれば万病は治るから
CCC:はい、心がけます!
松本:あとは沸いてきたイメージで「こんなことしたい」とか「この国にいきたい」とか決めてますね。楽しくないことは一切しないから。まぁ100歳までには残りの国全部に行きたいね(笑)
CCC:応援しています!今日は本当にありがとうございました!
松本:よかったらエコツアーも参加してね!
★インタビュー終わり★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★
このあと、松本さんは自転車で高鍋西中学校へ向かって出発されました。パワフルすぎる!
松本さんはエコの達人としてニュースで紹介されたこともあり、ご自宅には発電用の風車も完備!
取材に伺う前は、路面電車計画と聞いて正直非現実なんじゃ…なんて思っていましたが、世界を見てきた松本さんはさすがに説得力が違いました。まさに「百聞は一見に如かず」を体現した方でした。本当にありがとうございました!
インタビュー 仮屋 井上
○基本情報
■団体名 環境NPO法人 H-imagine
■所在地 〒880-0032 宮崎市霧島4丁目106 複合施設 ESORA内
■ホームページ http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~e1122m/Himagine/
社会起業支援サミット2010 in 宮崎では、当日、こうした取材内容も冊子として
配布させていただきます。ぜひ皆様、ふるってご参加ください。
社会起業支援サミット2010 in 宮崎
2010年2月20日(土)10時〜17時 宮崎産業経営大学にて(参加無料)
※終了後には、交流会(参加費500円)も予定しております。
お申し込みは、こちらから。
メール jya-mane2@hotmail.co.jp
Fax 0985-51-0859でも受け付けしております。
【取材】NPO法人ドロップインセンターさま (後編)
【取材】NPO法人宮崎文化本舗 石田達也さん (後編)
【取材】合同会社らくがきART 佐藤健郎さん 後編
【取材】環境NPO法人H-imagine代表 松本英揮さん
【取材】NPO法人ドロップインセンターさま (前編)
【取材】NPO法人宮崎文化本舗 石田達也さん (前編)
【取材】NPO法人宮崎文化本舗 石田達也さん (後編)
【取材】合同会社らくがきART 佐藤健郎さん 後編
【取材】環境NPO法人H-imagine代表 松本英揮さん
【取材】NPO法人ドロップインセンターさま (前編)
【取材】NPO法人宮崎文化本舗 石田達也さん (前編)
Posted by CCC宮崎 at 05:13│Comments(0)
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