2010年02月12日
【取材】環境NPO法人H-imagine代表 松本英揮さん
本日は環境NPO法人H-imagine(ひまじん)さまに取材に伺いました。
インタビューにお答え下さったのは代表理事である“チャリで世界を巡るエコロジスト”松本英揮さん。自転車に乗って日本全国、そして世界100ヶ国以上の国を旅されたほど、超越した行動力のある方!すごい!!
ご自宅に招待され、美味しいハーブティーまでいただき、大変世話になりました。
ありがとうございました。
なおデジカメを忘れてしまい、写真を撮ることが出来ませんでした。申し訳ありません。
★以下インタビュー★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★
CCC:まず、H-imagineさんの活動内容について教えてください。
松本:なんにもしてない、ひまじんだから(笑)。子供が、荒れたり事件をおこしたりうつ病になったり、今の社会はすごくおかしな方向に行っている。その理由は、子どものときから受験勉強や習い事で休日もなくとても忙しそうにしているから。子供から大人まで、定年になるまで目いっぱい忙しく働いて死んでいくと言うのがいまの世の中でしょ。このままじゃどうしようもない、それを変えるためにみんなが「ひまじん」になろうという想いと、日向の国のイメージ(イマジン)でH-imagineという名前にしました。
活動内容は主に環境学習。県内の子供達に、地球で何が起こっているかを伝え、どういう生き方をすればみんなが幸せになれるかを考えてもらいたいと思っています。それと、宮崎を地球の環境首都にしたい。1人1人の意識も大切ですが、街全体が素敵になることもすごく大事ですよね。そこで、宮崎市内に路面電車による街づくり計画「宮崎LRT(Light Rail Transit)計画」を提案しています。
今度やるのが植林です。何故植林かと言うと、木を植えた瞬間に「大地に根差す」という意味を感じることができるからです。5年10年経って成長した木を見ると、人間として自然に生かされていることの意味もわかり、生き方も、すごく楽しい形で本質に向かっていくことができます。川南に4000本の植樹を行う予定です。
でも「ひまじん」だからあまりカツカツとは活動していません。メンバーもそれぞれ仕事を持ち、いろんな役割をもって、ゆるやかに活動していますね。
CCC:松本さん以外のH-imagineメンバーについて教えてください。
松本:エコ建築家や、ビンのリサイクル講座を開いてリサイクルから技術に変える活動をしている方、宇宙人と話す女性(笑)、オーガニックパーマをしている美容師など、いろんな人がいます。女性であれば主婦や子育てなど、それぞれの立場からの視点の違いがあるため、それを大切にしながらNPO活動を行っています。
CCC:宮崎LRT計画についてですが、路面電車と引くことが、なぜ街づくりにつながるとお思いですか?
松本:ヨーロッパでは、交通の基本が路面電車・自転車です。環境モデルのひとつとして、スイスのバーゼルという街があります。街の中心には自家用車が走っておらず、水が流れています。橘通りとは違い、平日でもとても人が多いし、中心商店街は活気にあふれています。環境もいいし、人の流れもすごくいい。老若男女みんなが自然に交わることができる。宮崎をこんな街にしたいと思いました。このような街の影響で鹿児島や富山も、10年かけて路面電車の線路に芝生を敷いたんですよ。
CCC:確かに宮崎は交通が不便で、主な交通手段が自家用車になっていますね。
松本:宮崎市は、日本の県庁所在地では交通がワースト1になっています。自動車は環境にも良くないし、路面電車や自転車だけで生活できるのはとてもすばらしいことです。ドイツに20年前まで宮崎と同じように車だらけだった街もあったけど、今では道路を走るのはほとんど路面電車や自転車です。市長自らが自転車通勤を行い、市民にアピールして実現したことなのです。とあるシンポジウムでお会いした新宮崎市長の戸敷さんにも宮崎LRT計画に賛成していただき、この計画を進めて下さると約束してくれました。
CCC:宮崎でも不可能ではないということですね?
松本:もちろんです。地域改革については当然反対もあります。根本的な民主主義の意義とは、住民が何を望むかであり、現在の日本は民主主義とは言えません。昼間に行われる議会では、仕事を持つ一般住民が参加することはできず、密室的なものとなり、住民の本当の願いは実現できません。ヨーロッパのように、平日の夜間に議会を行うことで、仕事終わりの住民たちが参加し、彼らの願いが実現できるのです。
CCC:なるほど。先程自転車の話も出てきましたが、松本さんは自転車で100カ国以上の国を旅されたそうですね。自転車の旅についての想いはありますか?
松本:僕は子供のころから自転車が好きで、12歳のころから宮崎県内を旅していました。NPO活動を始めてから、国公立大学が独立法人化し(「これは文部科学省、つまり国が教育放棄をしたのと同様。先進国で国立大学がなくなるのはありえない」とのこと)、講師をしていた鹿児島大学から「交通費が出なくなった」と連絡を受け、自転車で通勤するようになりました。ちなみに僕の講義は1番人気で450人受講者がいます(笑)。自転車で行くうちにとても楽しくなり、長崎大学にも自転車で行くようになりました。長崎までは15時間半かかり、また坂道が多く、アップダウンがとてもきつい。
ロシア、アフリカ、サハラ、アマゾンも自転車で旅しました。宮崎から発信するだけでなく、そうやって世界中を旅しながら講演をしたり、その国の問題を解決するための提案を行ったりもします。いろんなところを実際に見ることによって、故郷である宮崎のこともより見えてきます。これは僕個人の考えではなく、団体全体としての考えです。
学生向けに格安のヨーロッパエコツアーも企画していて、毎年たくさんの学生や社会人が参加します。ヨーロッパの教育・環境・福祉の先進都市を具体的に、楽しんで見て欲しいです。世界一エコなホテル「ビクトリア」にも宿泊します。そして宮崎に帰ってきて、街づくりや故郷のために自分に何が出来るかを考える機会にして欲しいですね。社会起業支援サミットでのプレゼンテーションでもエコツアーのDVDを流して、会場の皆さんにも見てもらおうと思います。
また、自転車は健康にもいいですよ。ここ何年も病院行ってない。みんなが自転車を使うようになると病気にならないから医療費が減り、余った分を福祉に回すことだってできます。
CCC:まだ二十歳なのに車ばっかり使っている自分(井上)が恥ずかしいです…。ところで、H-imagineさんの活動理念というのはどういったものでしょうか?
松本:理念をもたないことが理念(笑)。「ひまになろう!」ってことかな、ひまじんだから。もっと自由にみんなが生きられたら、自然と変わっていくんじゃないかなと思っています。
一応窓口は環境NPOなんですが、いろんなことって全て繋がっているでしょ。今年やろうと思っているのが教育改革で、センター試験をなくすってことですね。
CCC:おおお!(感嘆)もっと前にやって欲しかったですね(笑)。
松本:2、3年遅かったかな?(笑)。僕の息子がいま中学2年生で、小学生のときから勉強が大変そうですが、それに意味があるかと言ったら、僕はNOだと思いますね。僕も高校時代に受験地獄の1番ひどい時期を体験しましたが、何かおかしいんじゃないかと思って。日本の社会が良くなっていくためにはセンター試験をなくす。なくせば、小中高校生の生活もガラッと変わります。その空いた時間に植林体験に参加したりとか、本当に大切なことができると思います。ヨーロッパの中学生なんて、自分でアルバイトして日本に来たりするもんね。かと言って学力が低いかといったらそうじゃない、逆に日本よりも高いですよね。子供時代に感性を育む生活をおくることが大事なんです。
年末にお茶の水女子大学で講演をしたとき、お茶の水女子大学附属小学校の副校長をされていた、古市憲一さんと初めてお会いしました。この方は受験というものをなくす運動を以前から行っており、「教育は教育現場で変えることはできないから政治を変えないといけない」という考えで意気投合しました。例えば、内申書やセンター試験、偏差値で合否を決めるのではなく、植林活動を行っただとか、講演会に行って実際に何か行動を起こしただとかを記した高校生の履歴書をつくることです。学力の比重を3分の1くらい落として、どういう考えをもって、どういうことを学びたいのかを重視するわけです。受験も1回だけでなく、3回くらいチャンスを与えたいとも考えています。古市さんはそのような具体的な提案もされていますが、僕も講演会などをやりながらそういう活動をしていこうと思っています。10年後、君達の子供さんの時代には受験がなくなっているかもね(笑)
息子にも、半分は無理矢理に旅をさせていました。嫌がることはありましたが、生きていくうえで、必ず将来的に役立つと考えてのことです。大自然に触れたり、様々な人と出会ったり、楽しい経験もいっぱいありました。そういう経験がないと、受験勉強や仕事ばかりで、目いっぱいの状態が定年まで続いてしまい、また柔軟な発想も出なくなってしまいます。
続きは、こちらから
インタビューにお答え下さったのは代表理事である“チャリで世界を巡るエコロジスト”松本英揮さん。自転車に乗って日本全国、そして世界100ヶ国以上の国を旅されたほど、超越した行動力のある方!すごい!!
ご自宅に招待され、美味しいハーブティーまでいただき、大変世話になりました。
ありがとうございました。
なおデジカメを忘れてしまい、写真を撮ることが出来ませんでした。申し訳ありません。
★以下インタビュー★+。。。+★+。。。+★+。。。+★+。。。+★
CCC:まず、H-imagineさんの活動内容について教えてください。
松本:なんにもしてない、ひまじんだから(笑)。子供が、荒れたり事件をおこしたりうつ病になったり、今の社会はすごくおかしな方向に行っている。その理由は、子どものときから受験勉強や習い事で休日もなくとても忙しそうにしているから。子供から大人まで、定年になるまで目いっぱい忙しく働いて死んでいくと言うのがいまの世の中でしょ。このままじゃどうしようもない、それを変えるためにみんなが「ひまじん」になろうという想いと、日向の国のイメージ(イマジン)でH-imagineという名前にしました。
活動内容は主に環境学習。県内の子供達に、地球で何が起こっているかを伝え、どういう生き方をすればみんなが幸せになれるかを考えてもらいたいと思っています。それと、宮崎を地球の環境首都にしたい。1人1人の意識も大切ですが、街全体が素敵になることもすごく大事ですよね。そこで、宮崎市内に路面電車による街づくり計画「宮崎LRT(Light Rail Transit)計画」を提案しています。
今度やるのが植林です。何故植林かと言うと、木を植えた瞬間に「大地に根差す」という意味を感じることができるからです。5年10年経って成長した木を見ると、人間として自然に生かされていることの意味もわかり、生き方も、すごく楽しい形で本質に向かっていくことができます。川南に4000本の植樹を行う予定です。
でも「ひまじん」だからあまりカツカツとは活動していません。メンバーもそれぞれ仕事を持ち、いろんな役割をもって、ゆるやかに活動していますね。
CCC:松本さん以外のH-imagineメンバーについて教えてください。
松本:エコ建築家や、ビンのリサイクル講座を開いてリサイクルから技術に変える活動をしている方、宇宙人と話す女性(笑)、オーガニックパーマをしている美容師など、いろんな人がいます。女性であれば主婦や子育てなど、それぞれの立場からの視点の違いがあるため、それを大切にしながらNPO活動を行っています。
CCC:宮崎LRT計画についてですが、路面電車と引くことが、なぜ街づくりにつながるとお思いですか?
松本:ヨーロッパでは、交通の基本が路面電車・自転車です。環境モデルのひとつとして、スイスのバーゼルという街があります。街の中心には自家用車が走っておらず、水が流れています。橘通りとは違い、平日でもとても人が多いし、中心商店街は活気にあふれています。環境もいいし、人の流れもすごくいい。老若男女みんなが自然に交わることができる。宮崎をこんな街にしたいと思いました。このような街の影響で鹿児島や富山も、10年かけて路面電車の線路に芝生を敷いたんですよ。
CCC:確かに宮崎は交通が不便で、主な交通手段が自家用車になっていますね。
松本:宮崎市は、日本の県庁所在地では交通がワースト1になっています。自動車は環境にも良くないし、路面電車や自転車だけで生活できるのはとてもすばらしいことです。ドイツに20年前まで宮崎と同じように車だらけだった街もあったけど、今では道路を走るのはほとんど路面電車や自転車です。市長自らが自転車通勤を行い、市民にアピールして実現したことなのです。とあるシンポジウムでお会いした新宮崎市長の戸敷さんにも宮崎LRT計画に賛成していただき、この計画を進めて下さると約束してくれました。
CCC:宮崎でも不可能ではないということですね?
松本:もちろんです。地域改革については当然反対もあります。根本的な民主主義の意義とは、住民が何を望むかであり、現在の日本は民主主義とは言えません。昼間に行われる議会では、仕事を持つ一般住民が参加することはできず、密室的なものとなり、住民の本当の願いは実現できません。ヨーロッパのように、平日の夜間に議会を行うことで、仕事終わりの住民たちが参加し、彼らの願いが実現できるのです。
CCC:なるほど。先程自転車の話も出てきましたが、松本さんは自転車で100カ国以上の国を旅されたそうですね。自転車の旅についての想いはありますか?
松本:僕は子供のころから自転車が好きで、12歳のころから宮崎県内を旅していました。NPO活動を始めてから、国公立大学が独立法人化し(「これは文部科学省、つまり国が教育放棄をしたのと同様。先進国で国立大学がなくなるのはありえない」とのこと)、講師をしていた鹿児島大学から「交通費が出なくなった」と連絡を受け、自転車で通勤するようになりました。ちなみに僕の講義は1番人気で450人受講者がいます(笑)。自転車で行くうちにとても楽しくなり、長崎大学にも自転車で行くようになりました。長崎までは15時間半かかり、また坂道が多く、アップダウンがとてもきつい。
ロシア、アフリカ、サハラ、アマゾンも自転車で旅しました。宮崎から発信するだけでなく、そうやって世界中を旅しながら講演をしたり、その国の問題を解決するための提案を行ったりもします。いろんなところを実際に見ることによって、故郷である宮崎のこともより見えてきます。これは僕個人の考えではなく、団体全体としての考えです。
学生向けに格安のヨーロッパエコツアーも企画していて、毎年たくさんの学生や社会人が参加します。ヨーロッパの教育・環境・福祉の先進都市を具体的に、楽しんで見て欲しいです。世界一エコなホテル「ビクトリア」にも宿泊します。そして宮崎に帰ってきて、街づくりや故郷のために自分に何が出来るかを考える機会にして欲しいですね。社会起業支援サミットでのプレゼンテーションでもエコツアーのDVDを流して、会場の皆さんにも見てもらおうと思います。
また、自転車は健康にもいいですよ。ここ何年も病院行ってない。みんなが自転車を使うようになると病気にならないから医療費が減り、余った分を福祉に回すことだってできます。
CCC:まだ二十歳なのに車ばっかり使っている自分(井上)が恥ずかしいです…。ところで、H-imagineさんの活動理念というのはどういったものでしょうか?
松本:理念をもたないことが理念(笑)。「ひまになろう!」ってことかな、ひまじんだから。もっと自由にみんなが生きられたら、自然と変わっていくんじゃないかなと思っています。
一応窓口は環境NPOなんですが、いろんなことって全て繋がっているでしょ。今年やろうと思っているのが教育改革で、センター試験をなくすってことですね。
CCC:おおお!(感嘆)もっと前にやって欲しかったですね(笑)。
松本:2、3年遅かったかな?(笑)。僕の息子がいま中学2年生で、小学生のときから勉強が大変そうですが、それに意味があるかと言ったら、僕はNOだと思いますね。僕も高校時代に受験地獄の1番ひどい時期を体験しましたが、何かおかしいんじゃないかと思って。日本の社会が良くなっていくためにはセンター試験をなくす。なくせば、小中高校生の生活もガラッと変わります。その空いた時間に植林体験に参加したりとか、本当に大切なことができると思います。ヨーロッパの中学生なんて、自分でアルバイトして日本に来たりするもんね。かと言って学力が低いかといったらそうじゃない、逆に日本よりも高いですよね。子供時代に感性を育む生活をおくることが大事なんです。
年末にお茶の水女子大学で講演をしたとき、お茶の水女子大学附属小学校の副校長をされていた、古市憲一さんと初めてお会いしました。この方は受験というものをなくす運動を以前から行っており、「教育は教育現場で変えることはできないから政治を変えないといけない」という考えで意気投合しました。例えば、内申書やセンター試験、偏差値で合否を決めるのではなく、植林活動を行っただとか、講演会に行って実際に何か行動を起こしただとかを記した高校生の履歴書をつくることです。学力の比重を3分の1くらい落として、どういう考えをもって、どういうことを学びたいのかを重視するわけです。受験も1回だけでなく、3回くらいチャンスを与えたいとも考えています。古市さんはそのような具体的な提案もされていますが、僕も講演会などをやりながらそういう活動をしていこうと思っています。10年後、君達の子供さんの時代には受験がなくなっているかもね(笑)
息子にも、半分は無理矢理に旅をさせていました。嫌がることはありましたが、生きていくうえで、必ず将来的に役立つと考えてのことです。大自然に触れたり、様々な人と出会ったり、楽しい経験もいっぱいありました。そういう経験がないと、受験勉強や仕事ばかりで、目いっぱいの状態が定年まで続いてしまい、また柔軟な発想も出なくなってしまいます。
続きは、こちらから
【取材】環境NPO法人H-imagine 松本英揮さん 後編
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Posted by CCC宮崎 at 15:26│Comments(0)
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