2010年01月20日
【取材】人間関係アプローチ宮崎きらきら 辰身信子さん(後編)
インタビュー前編はこちら

(写真:カウンセリングルームは穏やかな気持ちになれる)
■インタビュー後編■
CCC さて、今度は視点を変えて、経営的なことについて伺いたいのですが、きらきらさんではどのようにして収益を上げていらっしゃるのですか?
辰身 私たちの分野では、かつて行政から委託事業を受けるとはいっても、少額なものが多かったですし、助成金なども単発のものばかりで、あまりありませんでした。委託事業や助成金は、介護や子どもなどを対象としていて、私たちが対象とする人間関係やメンタルヘルスという人間としてもっとも必要なことにはあてはまりません。また、助成金をいただいたとしても、いただいた3年間はいいのですが、それ以降、2代目、3代目という継続性を考えたり、また、事業を行うのに精一杯で、疲れてしまっている方々を見てきました。ですから、私もNPOのことを学んでいたこともあり、自主運営できるNPOという形で立ち上げました。現在は、立ち上げた当時の売上の3倍ほどになっています。そして、年間売上の3割を事務費に、7割を講師に分配し、事務局や会計の方にもちゃんとお給料を支払っています。
私が心理学を学びはじめたころは、先輩が辞めないとその職には就けないよといわれていました。でもそうではなくて、資格を持った人がきちんと資格を活かした仕事に就け、それで食べていけるようになれればと思っています。そういう意味で、きちんとした料金制度をととのえ、食べていける仕組みを作ることができたことが良かったと思っています。
CCC NPOという法人形態よりも、合同会社等の仕組みでもよかったのではないでしょうか?
辰身 それはいろんな方にいわれます。でも、私としては、まず営利よりもミッションにこだわりたかったんです。まず、立ち上げるときに、「私こういうのやるけど、この指とまれ!」といったときに、2人の方が私の指にとまってくださいました。それぞれの方が「この人なら」という方を連れてこられて、7名ほどで法人のミッションである定款について話し合いました。実は定款を作るのに1年かかっているのですが、その1年の間にもいろいろやりとりがありましたし、そこで私たちがやることの意味等をしっかり考えました。その間に離れていってしまった方もいます。でも、そのことがミッションを共有するということにも繋がりました。ミッションを共有したメンバーは、現在までの6年間ずっと一緒に活動しています。
この他に、NPOとした理由について、行政とのつながりと地域のつながりを大切にしたいという気持ちもありました。行政とNPOが対等にしっかり手を取り合えば、地域のためになると思ったからです。
CCC なるほど。それでは時間も迫ってきましたので、最後に2つお伺いしたいと思います。1つは、現在の活動の障害になっていることはありますか?ということです。もう1つはこういった制度があったらいいなと思うことはありますか?という質問です。
辰身 順にお答えしますね。まず、現在の活動の障害になっていることは、昼間活動することができる方が少ないということです。実はカウンセラー・講師の募集をしているのですが、なかなか集まらないのが現状です。こちらも、プログラム等はかなりの数を開発しているので、ぜひ共感していただいて、一緒に働いてくださる方を募集しています。
次に、制度としてあったらいいなと思うことは3つあります。1つは、人権教育の中にメンタルヘルスを入れてほしいということです。メンタルヘルスは、人間の根幹の問題ですから、ぜひ人権教育として身近なところからメンタルヘルスを語ることができるようになったらいいなと思います。もう1つは、行政に携わる方々へのメンタルヘルスも考慮してほしいということです。実は,現在民間企業に対しては、メンタルヘルスに関する講師の派遣制度があるのですが、行政に対してはありません。ですから、行政の方々もメンタルヘルス講座を体験してほしいと思っています。そして最後に、行政とNPOの恊働といいますが、実際に行政の方々がNPOに出向できるような制度があったらいいなと思います。そうすると、市民の方々が何に困っているのか、ということがわかるようになりますし、そのための制度設計にも役立つと思います。また、NPOの現状を知っていただき、今後の恊働に活かしていけるのではないかと思います。
インタビュー終わり

(写真左 代表の辰身さん、右 井上)
***
誰もが愛されたい、信じてもらいたい、大切にされたいという基本的な欲求を持っているとおっしゃる辰身さん。だからこそ、自分で自分のきらきらに気づき、自分を変えていく場所が必要なんです、とおっしゃっていました。今の若い人たちについて、そういった言葉に耳を傾ける素直さがあるとおっしゃる辰身さん。だからこそ、今、大人の力量・スキルが問われているとおっしゃっていました。
貴重なお話、本当にありがとうございました。
今回は、ご都合がつかず、サミットにはご参加いただけないということでしたが、次回のサミットには、ぜひご参加いただきたいと思っています。その折にはどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、お土産までいただきまして、ありがとうございました。
インタビュー 井上、三輪

(写真:カウンセリングルームは穏やかな気持ちになれる)
■インタビュー後編■
CCC さて、今度は視点を変えて、経営的なことについて伺いたいのですが、きらきらさんではどのようにして収益を上げていらっしゃるのですか?
辰身 私たちの分野では、かつて行政から委託事業を受けるとはいっても、少額なものが多かったですし、助成金なども単発のものばかりで、あまりありませんでした。委託事業や助成金は、介護や子どもなどを対象としていて、私たちが対象とする人間関係やメンタルヘルスという人間としてもっとも必要なことにはあてはまりません。また、助成金をいただいたとしても、いただいた3年間はいいのですが、それ以降、2代目、3代目という継続性を考えたり、また、事業を行うのに精一杯で、疲れてしまっている方々を見てきました。ですから、私もNPOのことを学んでいたこともあり、自主運営できるNPOという形で立ち上げました。現在は、立ち上げた当時の売上の3倍ほどになっています。そして、年間売上の3割を事務費に、7割を講師に分配し、事務局や会計の方にもちゃんとお給料を支払っています。
私が心理学を学びはじめたころは、先輩が辞めないとその職には就けないよといわれていました。でもそうではなくて、資格を持った人がきちんと資格を活かした仕事に就け、それで食べていけるようになれればと思っています。そういう意味で、きちんとした料金制度をととのえ、食べていける仕組みを作ることができたことが良かったと思っています。
CCC NPOという法人形態よりも、合同会社等の仕組みでもよかったのではないでしょうか?
辰身 それはいろんな方にいわれます。でも、私としては、まず営利よりもミッションにこだわりたかったんです。まず、立ち上げるときに、「私こういうのやるけど、この指とまれ!」といったときに、2人の方が私の指にとまってくださいました。それぞれの方が「この人なら」という方を連れてこられて、7名ほどで法人のミッションである定款について話し合いました。実は定款を作るのに1年かかっているのですが、その1年の間にもいろいろやりとりがありましたし、そこで私たちがやることの意味等をしっかり考えました。その間に離れていってしまった方もいます。でも、そのことがミッションを共有するということにも繋がりました。ミッションを共有したメンバーは、現在までの6年間ずっと一緒に活動しています。
この他に、NPOとした理由について、行政とのつながりと地域のつながりを大切にしたいという気持ちもありました。行政とNPOが対等にしっかり手を取り合えば、地域のためになると思ったからです。
CCC なるほど。それでは時間も迫ってきましたので、最後に2つお伺いしたいと思います。1つは、現在の活動の障害になっていることはありますか?ということです。もう1つはこういった制度があったらいいなと思うことはありますか?という質問です。
辰身 順にお答えしますね。まず、現在の活動の障害になっていることは、昼間活動することができる方が少ないということです。実はカウンセラー・講師の募集をしているのですが、なかなか集まらないのが現状です。こちらも、プログラム等はかなりの数を開発しているので、ぜひ共感していただいて、一緒に働いてくださる方を募集しています。
次に、制度としてあったらいいなと思うことは3つあります。1つは、人権教育の中にメンタルヘルスを入れてほしいということです。メンタルヘルスは、人間の根幹の問題ですから、ぜひ人権教育として身近なところからメンタルヘルスを語ることができるようになったらいいなと思います。もう1つは、行政に携わる方々へのメンタルヘルスも考慮してほしいということです。実は,現在民間企業に対しては、メンタルヘルスに関する講師の派遣制度があるのですが、行政に対してはありません。ですから、行政の方々もメンタルヘルス講座を体験してほしいと思っています。そして最後に、行政とNPOの恊働といいますが、実際に行政の方々がNPOに出向できるような制度があったらいいなと思います。そうすると、市民の方々が何に困っているのか、ということがわかるようになりますし、そのための制度設計にも役立つと思います。また、NPOの現状を知っていただき、今後の恊働に活かしていけるのではないかと思います。
インタビュー終わり

(写真左 代表の辰身さん、右 井上)
***
誰もが愛されたい、信じてもらいたい、大切にされたいという基本的な欲求を持っているとおっしゃる辰身さん。だからこそ、自分で自分のきらきらに気づき、自分を変えていく場所が必要なんです、とおっしゃっていました。今の若い人たちについて、そういった言葉に耳を傾ける素直さがあるとおっしゃる辰身さん。だからこそ、今、大人の力量・スキルが問われているとおっしゃっていました。
貴重なお話、本当にありがとうございました。
今回は、ご都合がつかず、サミットにはご参加いただけないということでしたが、次回のサミットには、ぜひご参加いただきたいと思っています。その折にはどうぞよろしくお願いいたします。
最後に、お土産までいただきまして、ありがとうございました。
インタビュー 井上、三輪
○基本情報
■団体名 人間関係アプローチ宮崎きらきら
■代表者名 辰身 信子
■所在地 宮崎市鶴島2−9−6 みやざきNPOハウス308号
■ホームページ http://www.kirakira.fromc.jp/index.html
○あわせて読みたい
■街が元気だネット「特集NPOレポート」http://www.machi-gennki.net/npo-report/kirakira/index.html
■辰身さんのブログ「NPOきらきら日記」http://kira2.miyachan.cc/
■みやざきNPO・ボランティア団体ライブ情報「ぶーら・ボーラ」http://www.bura-vola.org/vd/a020388/
■きらきら講師藤田さんのブログ「きらきらイメジェリー」http://blog.canpan.info/npo-kirakira/
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Posted by CCC宮崎 at 15:17│Comments(0)
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